ドラマー永田(ナガタ)
13年ぶりのスティック
ザ・ルソバーズの結成は1979年。それ以来、数々のメンバーチェンジを繰り返してきましたが、メンバーの中にはすでにロックから引退した者もいました。
ドラマーの永田もそうでした。彼は中学生当時、テクニカルなソロをライブで披露し「凄いドラマーだ!」と皆の羨望の的だったのですが、その後、永田はひっそりと音楽から足を洗い、スティックを握ることはありませんでした。
ところが当時の仲間のトシちゃんが結婚することになり「じゃあ久しぶりに皆で演奏しよう」という話しが決定、実に13年ぶりにドラムを叩くことになったのです。
しかし練習が始まってみたら、永田の「おじさん化」が次々と露呈し、メンバーは失意のどん底へ落ちたのです。
練習スタジオに3ナンバーのクラウンで来る、叩いている間はずっと苦しそうな表情、リズムは狂うなど、長いブランクの後遺症をイヤというほど見せつけたのでした。
本番当日、披露宴会場では楽器のセッティングが始まり、立派なドラムセットが組み立てられるのを見て、永田はポツリと「そんなにいらないよ」と一言漏らし、さらにメンバーの不安をあおったのでした…。

苦しそうなドラマー永田。歌はトシちゃん(花婿)。
見事に終わった演奏
一曲目はビートルズの「DON'T LET ME
DOWN」。「ジャーン」演奏が始まりました。よし、いいぞ。そのままいけ!演奏は滞りなく続く…はずでしたが…。
一分半を過ぎたあたりで「ドーンレッミーダーウンー!」タカトン!ジャーン!!!あれ?終わっちゃった??まだ半分しか曲の演奏は進んでいないのに、見事にドラムが終わってしまったのです!
盛大な拍手の中で、メンバーはうろたえていました。
司会者が、列席者に感想を聞いています。もうダメだ。終わったことにするしかない…。
メンバーに悲しみの色が広がっていきます…。
後に聞いた話によると、永田は緊張のあまり「演奏前の飲酒禁止」の約束を破り、ビールを浴びるように飲んでいたそうです。
こうしてオリジナル・メンバーによる演奏は、煮え切らない思いで幕を閉じました。
「DON'T LET ME
DOWN」、日本語に訳すと「僕をがっかりさせないでくれ」という意味です。
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